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|表面磁束密度の計算|SI単位換算|磁場解析ソフトELF/MAGIC使用記|
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ご注意2)(たぶん)計算値と実測値には差が出ます。参考程度にご利用下さい
表面磁束密度の計算
磁石の表面からXmm離れた位置の磁束密度を計算します。磁石の寸法とBr値を入力してから「計算」ボタンを押してください。Brの値は等方性Baフェライトは2000~2300程度、異方性Srフェライトは3800~4400程度です。
ガウスメータ(テスラメータ)の実測値と比較する場合には次の点にご注意下さい。
- プローブの厚さ
- プローブの磁気センサー(ホール素子)は内部に埋め込まれているため、プローブを磁石に密着して測定しても、若干の距離が生じ計算値よりも小さな値になります
- どれぐらいの深さに埋め込まれているかは計測器メーカーによって異なります(例.電子磁気工業製T-1Hは0.5mm)
- ホール素子の面積
- プローブ内部の磁気センサーには丸形状や角形状があり、ある面積を持っており測定する磁石の面積より充分小さい必要があります。
- これもまた計測器メーカーによって異なります(例.電子磁気工業製T-H1は1.8mm×5.3mm)。
SI単位変換
SI単位と従来のCGS単位の変換
磁場解析ソフトELF/MAGIC使用記
2001年に株式会社エルフの磁場解析ソフト「ELF/MAGIC(MINI)」を購入しました。 今まではノートに書いたり頭の中で想像するだけだった磁力線が目で見えるというのは画期的なことです。 (正確に言えばソフトで描画されるのは磁力線ではなく、ある点での磁力ベクトルです)。 これまでに何度か当社のユーザーからの依頼で磁場解析を行いました。相対的な比較を行うのにかなり参考になっているようです。 なかなか難しくて、使いこなすところまでは行きませんが実例を挙げて使用記などを書いてみたいと思います。
例題1、リードスイッチに働く力を求めてみる
磁石とリードスイッチの位置関係は図1、図2の通り。リードスイッチの接点の中央に「2mm×2mmのマックスウェルの応力面」を設定し、そこに働く力を計算した。計算条件は下記の通り。
磁石
- 材質:湿式異方性ストロンチウムフェライト
- 残留磁束密度:3,950G
- 保磁力:3000Oe
- 寸法:5×5×11(容易磁化方向11mm)
リードスイッチ
- 材質:Ni-Fe合金
- 接点間距離:0.2mm
計算結果は「2.55グラム」と出ました。ちなみ同じ条件で、磁石の残留磁束密度を4200Gに変えると2.90グラムと計算されます。
図1:リードスイッチと磁石の位置関係
図2:図1をElfMagicで表示した図(クリックで拡大します)
図3:リードスイッチの接点付近の磁束密度のベクトル(クリックで拡大します)
図4:マックスウェルの応力面にはたらく力のベクトル(クリックで拡大します)
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|等方性Baフェライト|異方性Srフェライト| 温度特性について|異方性と等方性|
等方性バリウムフェライト-BAROX
フェライト磁石のいちばん基本的な磁石です。粉末成型プレス機で成型したものを1200度で焼結して作ります。円筒型、角型、リング型等の金型がそろっています。着磁、極表示はご指定下さい。平面研磨、外周研磨可能。
寸法一覧表
円筒形・角形磁石の代表的な寸法の一覧表を作りました。
製造可能寸法
- 断面積が3cm2程度まで
- 円筒型:外径φ2~φ20mm
- 角型:1辺が30mm程度
- リング型:外径 ~φ20、内径 φ3~
寸法公差
- 未加工の場合20mmまでは±0.2、それ以上は±1%
- 研磨加工の場合±0.05程度
磁気特性
- 残留磁束密度(Br)200~240mT
- 保磁力(HcB) 127.3~159.2kA/m
- 保磁力(HcJ) 238.7~278.5kA/m
- 最大エネルギー積(BHmax)7.2~9.5kJ/m3
異方性ストロンチウムフェライト
100×100や150×100mmの材料をダイヤモンド工具で切断・研磨等おこない各種寸法に仕上げます。着磁、極表示はご指定下さい。
製造可能寸法
- 角型:1辺2mm程度以上
- 円筒型:外径φ2~φ13
寸法公差
- 角型:20mmまでは±0.1、それ以上は±0.5%
- 円筒型:φ10以下は±0.03、それ以上は±0.05
フェライト磁石の温度特性について
- キューリー点(磁力が無くなる温度)は460℃。
- 温度係数(可逆減磁)は-0.2%/℃。※温度が1℃上がると磁力(表面磁束密度)が0.2%下がります。温度が元に戻れば、磁力も戻ります
- 低温による不可逆減磁。製品の寸法、磁化方向によっては不可逆減磁を考慮に入れる必要があります。
異方性と等方性について
同じ材料でより強い磁石を、という要求のもと「異方性」磁石が開発されました。以下に異方性と等方性磁石の違いを簡単に説明します。
まず同じ形状の立方体磁石があるとします。異方性磁石は容易磁化方向が一つあります。この方向を目視で判別するのは困難です。等方性磁石はどの方向でも磁気的に等価です。
異方性磁石 と、等方性磁石
この磁石を次の図のようにいろいろな方向に向け、固定して外部磁界をかけて着磁します。
1)異方性磁石は容易磁化方向には磁力が入りやすい
2)容易磁化方向以外にはほとんど磁力が入らない
3)および4)の等方性はどの方向でも磁力が入る
図中の数字はフェライト磁石における磁力の強さを相対的に表現したものです